四国新聞報道を受けて
9月4日(日)の四国新聞の24面という社会欄に、それも大きくカラー写真付きで掲載して頂き、たいへん多くの反響を呼んでいます。流石に地元四国新聞と改めて影響力の大きさにビックリしています。しかしそれを読んだ意見の中に、大きな誤解と理解のなさを痛感させられる意見がありました。
蘇る乙女の像は、今年冬から当時と同じ彫刻家萬木淳一氏の手によって50年ぶりに、粘土で作られました。それをわれわれは第1像と呼んでいます。その像を、二科展に出したり移動が簡単に出来るように、FRPの像にしています。これをわれわれは、第2像と呼んでいます。
繊維強化プラスチックまたはFRP(Fiber-Reinforced Plastics の略称) は、ガラス繊維などの繊維をプラスチックの中に入れて強度を向上させた複合材料のことです。第1像に石膏をまぶして、中の粘土を削り出します。次にその表面に、繊維強化プラスチックを塗ります。
その過酷な作業が、今年の暑い暑いお盆過ぎに、萬木淳一氏のアトリエ1111でおこなわれたのです。FRPは最近、船の船体などに多く使われています。私もやったことがありますが昔は、船体は木で貼り合わせてつくって、船の中外でリベット接合のたたき合いをしたものです。それが今では、木はなくなり繊維強化プラスチックで作られています。
新聞報道の写真は、この第2像の完成図です。これから第2像を、ブロンズ像にするわけです。ちまたで「完成した像」と言われているのは、あくまでも中間像である第2像です。最終段階のブロンズ像は、第3像です。これからが、最終のブロンズ化です。まだ蘇る乙女の像は、完成していません。
一方その二科展ですが、東京新美術館の彫刻会場に並んでいましたが、関係者からも賞賛の声が上がっていました。私もそのあたりの見学者全員に聞いたわけではありませんが、たまたま話しをした関係者は「いつにも増して良い作品」と評していました。
これがまず一つの誤解です。そして次に理解のなさについてですが、確かに50年前には萬木淳一氏も「いわざらこざら」の伝説に基づいた乙女の像の作彫を依頼されて、若干憂いを含んだ乙女像を作りました。またそれを地元の人々は納得し理解し、喜んでくれていました。たんび新しい生花も、手向けられています。
しかしこのたびの新調作は、先の悲運の像とは作者は考えていませんし、お手伝いしているわれわれ「NPO法人仏生山魂再開発フォーラム」のメンバーも、そのようには期待していません。
作者の言うように、希望に満ちた「蘇る乙女の像」で良いのです。悲運の像の役割は、これまでの半世紀で終わりました。これからの半世紀いや1世紀は、光り輝き見る人に希望の象徴となるような像に、萬木淳一先生(昭和38~42竜雲中学校、その後高松第1高校へ転任)は力を込めて仕上げています。
そのようないきさつから、少女のポーズも新聞記事の左と右の写真のように、手の位置も違っています。いわざらこざらの怨念を超えた、誰一人恨む人のない希望の像のあくまでも第2像が完成しています。
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